製剤設計

顆粒剤・散剤・カプセル剤・経口液剤・経口フィルム剤【薬剤師国家試験】

経口する製剤のマインドマップ
経口する製剤のマインドマップ

錠剤に続いて、経口する製剤の残りをまとめて片づけます。

錠剤ほど製法を突っ込まれることはありませんが、カプセル剤の号数と充填機の種類、それに経口液剤の名前の区別は単独で問われます。分量は多くないので、一気に通してしまいましょう。

この記事は、もともと解説授業の動画で話している内容を記事に起こしたものです。読むより耳から流し込みたい人は、解説授業のページに無料のサンプル動画があるので、先に雰囲気を確かめてみてください。

顆粒剤:メリットとデメリットで押さえる

顆粒剤は、散剤を造粒して粒を大きくしたものです。粉体の性質でやった「粒子径が大きいほど流動性がよい」がそのまま効いてきます。

内容
メリット 飛散性・付着性が下がる → 調剤しやすく、飲みやすい
メリット 流動性がよい → 定量分包の操作が楽
デメリット 粒度の違うもの同士を均一に混ぜにくい(散剤と顆粒剤など)

散剤は静電気でベタベタと器具にくっつきますが、顆粒にするとそれがなくなる——ここが実務上の最大の利点です。

デメリットのほうは少し直感に反します。粒の大きさが違うもの同士を混ぜると、混ぜれば混ぜるほど分離してしまうことがあるのです。粒度が揃っていないと均一にならない、と覚えてください。

製法は押し出し造粒・転動造粒・流動層造粒・乾式破砕造粒法などですが、これは錠剤の造粒工程と重なるので製剤化の機械②造粒機でまとめて扱います。

カプセル剤:硬カプセルと軟カプセル

カプセル剤は2種類です。

硬カプセル

硬カプセルの号数
硬カプセルの号数

ボディとキャップをかぶせる、いちばん見慣れた形のカプセルです。

号数の規定があり、000号から5号まで。ここで必ず引っかかるのが向きです。

号数が小さいほど大きい(000号が最大、5号が最小)

000号はおよそ26mm、5号は1cm強。数字が大きいほど小さくなる、という逆転に注意してください。

軟カプセル

軟カプセル
軟カプセル

こちらは号数の規定がありません。硬カプセルとの対比でここが問われます。

基剤はゼラチンで、グリセリンを加えて可塑性(やわらかさ)を持たせています。

試験法と容器

カプセル剤の規定は、錠剤とほぼ同じです。

  • 試験法:製剤均一性試験法 + 溶出試験法または崩壊試験法(錠剤と同じ)
  • 容器:密閉容器

容器の種類については容器の種類(密閉・気密・密封)で整理します。

カプセル充填機の名前だけ先に

充填機の名前も出題されます。名前と語呂だけここで押さえて、装置のしくみは製剤化の機械③でまとめて扱います。

硬カプセルは3つ。語呂は「AD好プレー」です。

Auger式 / Disc式 / 好カプセル / プレス(Compress)式

軟カプセルは2つ。ロータリーダイス法と滴下法です。

このうち滴下法だけは、しくみが前の単元とつながっているので先に触れておきます。二重ノズルの外側からゼラチン液、内側から薬液を同時に滴下すると、表面張力で自然に丸くなるため、継ぎ目のない(シームレス)カプセルができます。界面の性質でやった「表面張力があるから液滴は球形になる」が、そのまま製造技術になっている例です。

散剤・経口液剤・経口フィルム剤

経口する製剤の残りは、名前と特徴を押さえれば足ります。

散剤

粉末状の製剤です。飛散性・付着性が問題になるため、造粒して顆粒剤にすることで扱いやすくする——という流れは上で見たとおりです。

経口液剤:4つの名前を区別する

名前 特徴
エリキシル剤 甘味と芳香があり、エタノールを含む液剤
乳剤 液体粒子が液体中に分散したもの
懸濁剤 固形の有効成分が分散したもの → 溶出試験法に適合する必要がある
リモナーデ剤 甘味と酸味がある液状の製剤

懸濁剤だけ溶出試験法が必要なのは、固形の粒子が入っているからです。溶けた液ではないので、「どれだけ溶け出すか」を確かめる必要がある——と考えれば理屈で出せます。懸濁剤とStokesの式の内容がそのままつながります。

リモナーデ剤は、英語で書くと lemonade——レモネードと綴りが同じです。レモネードなら甘くて酸っぱい、と思い出せば特徴まで一緒に出てきます。

経口フィルム剤

口の中で溶けるフィルム状の製剤です。名前を知っていれば足ります。

まとめ

  • 顆粒剤:飛散性・付着性↓、流動性↑で調剤が楽。ただし粒度の違うものとは均一に混ざりにくい
  • 硬カプセル:000号〜5号、号数が小さいほど大きい。軟カプセルは号数の規定なし
  • 軟カプセルの基剤はゼラチン(+グリセリンで可塑性)
  • カプセル剤の試験法は錠剤と同じ(製剤均一性試験法 + 溶出試験法または崩壊試験法)、容器は密閉容器
  • 硬カプセル充填機はAuger式・Disc式・Compress(プレス)式(語呂「AD好プレー」)、軟カプセルはロータリーダイス法・滴下法(滴下法はシームレス)
  • 経口液剤はエリキシル剤(甘味+芳香+エタノール)/リモナーデ剤(甘味+酸味)/乳剤/懸濁剤(溶出試験法が必要)

次は皮膚に適用する製剤です。軟膏剤の基剤(油脂性・乳剤性・水溶性)と混合の可否へ進んでください。錠剤の製法は錠剤の製法と錠剤の種類、剤形全体の地図は剤形分類の全体像で確認できます。

薬剤を、1枚の地図として頭に入れませんか

この記事の冒頭に載せたマインドマップは、薬剤という科目のほんの一区画です。実際には、吸収から分布・代謝・排泄、そして製剤設計までが、1枚の地図としてひと続きにつながっています。

解説授業は、その地図を端から端まで、実際にたどりながら話していく全33本・約11時間。「なぜこの薬がここで出てくるのか」「さっき覚えたあの話が、どこにつながるのか」が、バラバラの知識ではなく流れとして入ってきます。細切れに暗記してきたものが、1本の線になる感覚です。

薬剤のマインドマップPDF+解説授業セットは¥9,450。無料のサンプル動画とサンプルPDFがあるので、この「たどる」感覚が自分に合うかどうかは、先に確かめられます。

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